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倶楽部報(2018年度春優勝特別号)

優勝へのプロセス

野球部助監督 林  卓史(平成10年卒 岩国高)

2018年06月13日

野球部助監督 林  卓史

三田倶楽部の皆さま、いつもありがとうございます。

今年のチームは、戦力的には乏しい戦力であったと思います。「7位もあるよ」という声をかけながら、本当にその可能性がある、と新チーム結成当初には危機感を煽っていました。沖縄キャンプまでは、「このままではまずいな」と感じていました。
宿舎で夜間の素振りをしようとすると、バットを持って帰っていない。投手陣は、練習時間に少しずつ遅れる。戦力が乏しい上に、ルーズであれば本当に最下位もあり得ると感じていました。
沖縄キャンプの中で、オープン戦と練習を重ねる中で、学生は「このままではダメなんだ」ということを実感してくれたように思います。
キャンプ地となった那覇セルラースタジアムは、施設が素晴らしいことはもちろんですが、那覇市内の絶好の立地であり、オープン戦に社会人・大学チームが訪れてくれました。遠征に出ることなく、試合で出た反省点をすぐにフィードバックする練習が行えることは、チーム力の強化に直結しました。そういった意味で、キャンプ地の変更に尽力してくれた、高橋由伸氏の貢献はあったと思います。
このチームは、本当にオープン戦の一試合を勝った、負けた、で片づけることなく、「なぜ出来なかったのか」「なぜこのプレーが起こったのか」「次にどうするか」と言うことを徹底的に突き詰めます。一試合やるごとに、本当に成長していく姿を見て、少しずつ手応えを感じていました。また、チームの方向性に関しても、監督から具体的な数値の提示があり、昨年の主力選手であった「岩見・清水翔太」の穴が具体的に得点に換算すると何点であり、その得点の減少から勝敗の予測を行ないました。得点の減少を食い止めながら、失点を大幅に減少させる必要があり、結果的にはそれを実行できました(この得点・失点の予測方法について、興味のある指導者の方がいらっしゃれば、お伝えします。ご連絡ください)。

沖縄キャンプ後の関西遠征では、オリックスのファームにも勝つなど、着々と力を付けていることを実感しました。サントリー様のご厚意により、箕面の宿舎でミーティング、素振りを繰り返し、ここでも一戦一戦力を付けていきました。

リーグ戦開幕後は、東大に勝ち点は取るとして、締まった隙のない戦い方はこのチームの積み上げてきたものの確かさを感じさせるものでした。
2カード目となった法政は、昨年唯一勝ち点を落とした相手でした。特に投手陣は、去年の雪辱に燃え(と言いながら4失点した試合もありましたが)、連勝をすることが出来ました。
3カード目は立教でした。立教大学は、しっかりとしたリクルートで近年安定した力を持っています(結局、今シーズンも2位でした)。左腕の田中誠也投手に抑えられ、初戦を落としましたが、2戦目で逆襲し、3戦目は一戦目の反省を持って、打ち崩すことが出来ました(「センター」返しが取り上げられていました)。一戦ごとに力を付けるこのチームの強さが出た試合でした。
4カード目の明治大学とは事実上の優勝決定戦でした。明治大学には、150km/hを越える投手が2人います。初戦で森下投手を9回に崩し、先勝しました。2戦目では、伊勢投手に抑えられましたが、3戦目では、森下投手、伊勢投手を打ち崩し、サヨナラ勝ちを収めました。ここでも、「伊勢投手に対してどう対応するか」を学生間でミーティングをし、打線として攻略した試合でした。
最も大事な早慶戦で敗れたことは大反省材料ですが、このような経緯でリーグ優勝を果たしました。

技術的にはレベルは高くはありませんが、監督のヒントのもと、学生が一丸となってやる姿勢がこのチームにはあります。昨日より今日、今日より明日、一つずつ強くなっていく姿は、手前味噌ですが大したものだと感じました。
また、練習の「熱」もあります。熱くなって集中した練習をやっていると感じます(ぜひ、高校の指導者は見学されたらいいと思います)。「何をやるか」を整理してグランドに降りてきて、一人一人が熱(エネルギー)を出し、熱くなって一球一球に入り込んでプレーをする。この繰り返しが本当に力を付け、試合での土壇場の強さを生むのだということを実感しました。

こうして何とかリーグ優勝し、連覇を果たすことが出来ました。しかし、監督とも話をしていることですが、これは一つの奇跡であると思います。奇跡に甘んじて、本来行われるべき改革や改善が行われないことを懸念いたします。やはり、部員数は過剰だと思います。練習環境については、投手陣がキャッチボールを十分に行なう環境すらありません(バッティング練習の打球をよけながら、ノックの合間を縫ってキャッチボールをしています)。雨が強ければ、雨天ブルペンもしばしば使用できないことがあります。
こういった点の改革・改善を怠ると、チーム成績の低迷、大きな事故や不祥事につながりかねないと考えます。学生には、「勝った時ほど、チームは変わらなければならない」「勝ったからこのままでいい、ということは転落の第一歩である」ということを話しています。連覇が、改革・改善の足枷とならないことを切に願います。

三田倶楽部の皆様のご理解・ご協力をいただき、本当にありがとうございます。三連覇・早稲田に勝つ・日本一に向け、今後ともよろしくお願いいたします。

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