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倶楽部報(2021年春季リーグ戦優勝特別号)

堀井哲也監督インタビュー

野球部監督 堀井 哲也(昭和59年卒 韮山高)

2021年06月08日

野球部監督 堀井 哲也

就任してから1年半、3季目で初めての優勝を達成した堀井哲也監督(昭和59年卒、韮山高)に戦いぶりなどを聞きました。

−−−−就任して初の優勝をどのように受け止めておられますか
チームは連続しており、通算では38回目の優勝ですが、チームを預かった責任という意味でほっとしています。就任以来2季連続して、あと一歩のところで優勝を逃しましたが、チームの勝ち負け、チームの状況には、監督としての能力というか運というか、背負っているものがそのまま出るのではないかという感覚があり、優勝できて本当にほっとしています。

−−−−開幕戦の敗戦から見事に立ち直りましたが、選手にはどんな話をされましたか
敗戦から帰っていろんな点検をしました。相手はもともと1試合に四球を1つ取れるかどうかという投手。四球で崩れることはないと言ったら、6個の四球を取った。そういう面で評価しました。なおかつノーヒットで1点取った。ノーヒットノーランよりノーヒットワンランの方が確率的にも難しいわけですが、そんないい投手からノーヒットで1点取ったことも評価できるのではないかという話はしました。最終回も二死から上田が二盗を決めて一打同点のところまでもっていった。戦いとしては悪くなかった。

−−−−スローガンにある「繋勝」の通り、それぞれに選手が活躍しました
繋ぐというのは、精神的にもそうですし、野球のプレーの仕方もそうですけども、小さくまとまれ、人に頼れということではない。チームプレーの原則ですが、一人一人が100パーセント、役割を果たす。そこに次の選手。企業の生産工場でいう前工程と後工程ですね。そこに信頼関係があれば、点が入ったり、ピンチを最小で切り抜けたりする。そういう発想であって、低いレベルで繋ぐ野球をしようというものではない。一人一人の個性が出て、それぞれの役割を果たしたという気はします。特に、立大2回戦で勝ち越し3ランを放った正木の前の福井の打席を一番褒めました。相手投手の低めを捨てて結果として見逃した三振でしたが、チームプレーの真髄だと思います。相手バッテリーが低めの変化球は振ってこないぞということで、正木の時に甘く入ったと言えると思う。

−−−−慶早戦を待たずに優勝が決まりましたが、そのとき選手にかけた言葉は
優勝が決まったときは、日吉でオープン戦でした。優勝は優勝で一区切りだけども、対抗戦というのは東京六大学野球の歴史で、ましてや慶早戦は必ず最後に組まれるという歴史的な意味もある。別感覚でいこうよ、と。それは常々話していることで、その確認ですね。慶早戦の初戦をどう勝つかというのがすごく大事だと思っていましたが、そこで勝ち切れた。しかも逆転で逃げ切った。秋に向けて非常に大きな勝利だったと思っています。最終回では、橋本達がゴロを抑えて二塁に送球し、一塁走者を刺したプレーも大きかった。投手として総合力が高く、3年ながら彼が後ろに控えていてくれるのは非常に心強いのではないか。

−−−−コロナ禍の影響で採用されたポイント制では戦い方に違いがありますか
学生時代を振り返っても、先勝して2戦目で負けても3戦目があるというメンタルと、1戦も落とせないメンタルとはちょっと違うかなと思う。神経を使いますね。また、リーグ戦に入って本当に力を発揮できるかどうかを試す場がない。1勝して次の2戦目で、いわば展開の悪いようなときに思い切っていけという戦い方ができない。リーグ戦入ってからチームをつくっていくのはポイント制では非常に難しく感じました。言わばトーナメントのような緊張感がありました。

−−−−次は大学野球選手権です。「日本一」へ抱負を聞かせてください
明治大学がコロナ禍で一昨年になる前回大会で優勝して、東京六大学はやはり優勝が期待されると思う。一緒に戦ってきた他校の分も合わせて、一生懸命、日本一を目指してやりたいと思います。

−−−−三田倶楽部員に向けてメッセージがあればお願いします
コロナ禍で生活や健康に不安がある中で、物心ともにバックアップしていただき、三田倶楽部員の多くの方に支えられての活動、今回の結果だと思っています。本当に心から感謝しています。できるだけ選手にもそれを伝えるようにしています。一つ例を取ると、先輩の経験談は選手にすぐ披露しています。先輩からどういうことを学ぶのか。先輩からのアプローチを選手全体にいつも展開しておりますので、引き続き叱咤激励をいただければと思います。また、グラウンドに来ることが可能な状況であれば、出来る限り選手に紹介もしていますので、そのときはぜひ足を運んでください。

(聞き手:蔭山実 昭和61年卒 四條畷高)


堀井哲也監督の写真
堀井哲也監督

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