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倶楽部報(2023年春号)

前田祐吉元監督野球殿堂入記念パネルディスカッション開催

蔭山  実(昭和61年卒 四條畷高)

2023年04月07日

「前田祐吉元監督野球殿堂入記念パネルディスカッション」が1月28日(土)、日吉キャンパスの協生館・藤原記念ホールで、三田倶楽部総会後に開かれました。後藤寿彦会長(昭和51年卒、岐阜高)、堀井哲也監督(昭和59年卒、韮山高)、前田大介氏(平成6年卒、慶應高)が登壇し、古葉隆明氏(平成5年卒、広島城北高)の司会の下、前田元監督の「指導法」「叱咤激励」「語録」「リーダー論」「Enjoy Baseball」をテーマにデスカッションを行いました。

後藤会長は前田元監督2期目の後に監督としてチームを引き継ぎ、「監督は庭師のようになれ。あまり指導しすぎるな。言い過ぎると選手の考える力がなくなる」「アイデアが出なくなったら監督を辞めろ」とアドバイスされたときの様子を振り返りました。堀井監督は上級生の2年間に指導を受け、「野球は余技」という考えに基づいて、虚礼を廃し、個々のコンディションを尊重した練習方法に新鮮さを感じたことや、ラポート(心が通い合う関係)という心理学用語を使って「指導者と選手はラポートを持たねばならない」と話されていたことを披露。ご子息の大介氏は、身近で聞いていた話から「野球部が優勝すること、野球部からたくさんの素晴らしいリーダーを輩出すること。この2つが大きな望みだった」と話しました。

Enjoy Baseballについて前田元監督は「瞬間的な閃きを思い切ってやってみるという柔軟な発想と、失敗を恐れぬ大胆さがEnjoy Baseballの真骨頂である。それを可能にするチームのムードが大好きである」と残されています。これに関連して、後藤会長は「Enjoyはアメリカでは前を向いて苦しんでいる姿にも言う。そういうEnjoyの使い方をいまだに勉強しています」、堀井監督は「スポーツ本来の目的は、学業を含めて友人と語らい、人格形成をすること。時代を先取りする気持ちを学生として勉強しなさいということでもあったと思う。Enjoyという言葉を都合のいいように使わず、前田さんの本当の厳しさ、一番言いたかったことを常に探究しています」と話しました。大介氏は「ベストを尽くせというところを常に最初に言っていました」と振り返り、「野球が大好きで、勉強が好きで、最高の学生野球の指導者であった」と締めくくりました。

なお、セレモニーの動画と資料は、三田倶楽部のホームページのメンバーズエリアに掲載いたしましたので、そちらをご参照ください。

(右から)登壇した堀井哲也監督、後藤寿彦会長、前田大介氏と、司会の古葉隆明氏
(右から)登壇した堀井哲也監督、後藤寿彦会長、前田大介氏と、司会の古葉隆明氏

会場で紹介された前田祐吉元監督の語録
会場で紹介された前田祐吉元監督の語録

最後に紹介された前田祐吉元監督の言葉
最後に紹介された前田祐吉元監督の言葉

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